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旅行会社は賢く使おう~旅費を安くするためにパックツアーの仕組みを理解する

 こんにちは、たびおどりです。 

たびおどり (@tabiodori) | Twitter

いつの間にかずっと香港旅行体験記ばかりになっていたので、本業に近いことを始めようと思いまして、1つ皆さまに質問です。

  

 

みなさんはなぜ旅行会社を利用しますか?

 

 今の世の中、インターネットで旅先の情報も調べられるし、予約も全部個人で出来てしまう便利な世の中です。それでも旅行会社へ行かれるのはなぜでしょう?

 

「相談しながら決められるから」

「予約のしかたがわからないから」

「任せた方が安心だから」

「特典とかついているから」

 

いろんな理由があると思いますが、中には

「パックツアーで安く行きたい」とおっしゃる方もいらっしゃいます。

旅行は余暇活動とはいえ、安く楽しめるのならそれに超したことは無いですから、もっともな回答です。 

 

 

さて、このパック(ツアー)とはそもそも何でしょうか?

何がパックなのか?

 

そして、パックは安いイメージがありますが、

本当に安いのでしょうか?

 

何気なく使っているこのパックツアーについて何回かに分けて解説して参ります。

どうぞよろしくお願いします。

 

 

 

そもそも旅行会社とは?

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フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com)より

 

旅行会社ってそもそも何をやっているのか?パックツアーの仕組みを解説する前に、まずは旅行会社の業務内容についてと、旅行会社で販売する商品について説明します。

 

旅行会社を利用されたことのある方には説明不要かと思いますが、皆様に伝えたいことがあります。それは、旅行会社はただホテルや、鉄道、航空会社に代わって予約・販売をしているわけではないことです。

 

旅行会社は、鉄道会社や航空会社から座席を、ホテルからは客室を仕入れて販売しています。

 

仕入れ値のまま売っては利益が出ないので、利益が出るように売値を設定し、販売して収入を得る。これが旅行会社のビジネスモデルです。

(中には仕入れ在庫と別に代理販売をすることで収入を得られる、受託販売収入の仕組みもありますが、今回は触れません。)

 

つまり、旅行会社も仕入れている在庫があり、旅行に必要なモノを代理販売するのでは無く、付加価値をつけて独自の商品を販売しているのです。

 

旅行会社にも商品がある

商品を仕入れて販売しているので、各旅行会社オリジナルの商品があります。

旅行はモノでは無いので商品と言われてもイメージしにくいのですが、目に見える商品のひとつが、お店に並んでいる パンフレット です。

 

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パンフレットによって、特典や料金も異なりますし、掲載されている施設も異なります。これも全て、旅行会社毎に仕入れ条件が異なり、その結果商品の違いに繋がっているからです。

 

なお、パンフレット=旅行会社の商品は、旅行会社が企画・作成したものなので、一般的には、 企画商品 とよばれています。

 

もう少し説明を加えると・・・

企画商品は、広く一般の方に旅行条件を明示して申し込みを受け付ける、募集型企画旅行と、全てオーダーメイドの受注型企画旅行と2つありますが、パンフレットは募集型企画旅行となります。

パンフレット=募集型企画旅行=旅行会社の商品

がより正確です。

 

 

パックとは何か?

パックは、宿泊と往復の交通手段が含まれた企画商品のことです。

ある旅行会社ではパック商品を、交通手段付き宿泊プランと表現しており、これが一番わかりやすいでしょうか。 

 

では、旅行会社でホテルの予約と新幹線の切符をお願いする場合は、全てパック=交通手段付き宿泊プランなのでしょうか?

 

答えは、NOです。

 

実は、旅行会社が販売する企画商品には、宿泊だけ、交通手段だけ、そして交通手段付き宿泊プランなど、いろんな企画商品があります。

加えて、代理販売に近い手配旅行業務もあり、これは切符やホテルを仕入れ値でそのまま販売することなのですが、この方法で切符とホテルを用意することもあります。

仕入れた在庫が完売していたり、もともと企画商品用に仕入れた在庫が無かったりするためこういった販売方法をとることもあります。

 

では、パックで旅行を申し込むにはどうすれば良いのか?

パックが成立する条件についてさらに解説します。

 

パック成立の条件とは

パックが成立する条件は以下の2点です。

①旅行会社が仕入れた宿泊が含まれていること
②旅行会社が仕入れた交通手段が往復で含まれていること

他にも細かな条件、例外がありますが、多くはこの2つを満たしていればパックになります。

どちらも共通しているのは、旅行会社が仕入れたものが含まれてることです。企画商品は、旅行会社が企画した旅行商品ですので当然のことです。

 

注目していただきたいのは、②です。

往復の交通手段が含まれている、が条件なので、

片道旅行(=行ったっきり)や、宿泊無し(交通手段だけ)はパックにはなりません。

 

また、パック商品のJR編と飛行機編で詳細を解説しますが、旅行会社が仕入れた在庫が無い場合もパックは不成立です。

 

まとめ

さて、旅行会社の仕組みから、企画商品があり、パック商品についてと成立条件を解説までしてきましたが、いかがでしたか?

ここまでをまとめると・・・

 

旅行会社は、ホテルや交通機関から部屋や座席を仕入れて商品を作っている

商品(=企画商品)とは、旅行会社のパンフレットのことで、仕入れ条件が異なるのでパンフレットも様々ある

パックは企画商品の内、往復の交通手段付き宿泊プランのことで、パックには成立条件がある

 

販売をする旅行会社目線でのお話が多くて恐縮ですが、この仕組みが理解できると、お得な旅行にしたり、質の高い旅行にしたりと、旅行の選択肢が広がります!

 

 

この商品解説シリーズは、引き続き鉄道編、航空機編と続いていきますのでぜひこの先もお付き合いください。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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