こんにちは、たびおどり(@tabiodori)です。
先日、お客様からこんなお言葉をいただきました。
「旅行会社で予約をするのは安心」
私たちを信頼してくださってのとても嬉しい言葉ですが、
「安心」とは何でしょうか?
予約が取れること?
目的までの交通手段について相談出来ること?
こういった不安が解決できれば安心だと思いますが、他にも目に見えない色んな安心を旅行会社では提供しています。
旅行会社の企画旅行参加中、何かあった場合の特別補償があるのをご存知ですか?
意外と知られていない補償制度について今回は解説したいと思います。
なお、今回の解説は旅行業約款の内容を含みます。
旅行業約款は、旅行会社と旅行者(=申込者)の間での約束事を定めたもので、旅行の申し込み条件(=契約条件)をまとめたもの、と考えてください。
標準型旅行業約款は以下のURLから国土交通省が定めたものが見られますので、こちらの第7章28条と、26ページからの特別補償を参考にしながら読んでいただくとわかりやすいかと思います。
http://www.mlit.go.jp/common/001239136.pdf
聞き慣れない言葉も多く出てくるかもしれませんが、わかりやすく言い換えながら解説してまいります。
どうぞよろしくお願いします。
こんな人に読んでほしい
旅行会社でどんな補償があるか知りたい方
安心して旅行に行きたい方
特別補償とは?
まずは、冒頭でお伝えした特別補償とは何かについて解説します。
特別補償とは、
旅行会社の企画旅行に参加する旅行者が、その旅行参加中、事故によって身体・手荷物に被害をおった場合にお見舞金を払うものです。
例えば、
1泊2日の温泉旅行に家族で参加中、お風呂場で足を滑らせて腕の骨を折ってしまい、病院へ通院し、ギプスを装着することになった。
海外旅行中、スーツケースを運んでいる最中に手を滑らせて倒してしまい、鍵が壊れてスーツケースに荷物をしまえなくなってしまった。
必ず補償対象になる、とは言えませんが、旅行中に上記のようなことが起きた場合は特別補償の対象になるかもしれません。
先ほどの例の場合は、
国内旅行中に骨折をして通院とギプスの装着が必要になった場合は、その期間が3日以上7日未満の場合は1万円、7日以上90日未満の場合は2万5千円となります。
スーツケースの破損があった場合は、破損したスーツケースの時価額か修繕費用のいずれか低い方の金額を10万円を上限に補償します。(ただし、補償額が3,000円に満たない場合は支払い対象外)
楽しい旅行中に事故に遭うのはイヤですが、こうした補償があることは旅行者にとっても安心に繋がると思います。
保険とは違うのか?
特別補償の内容を簡単に解説すると、
旅行会社の募集型企画旅行に参加中に、事故でけがをした場合、または事故により手荷物が壊れて使えなくなった場合にお見舞い金を支払います。
旅行者の故意で発生した事故や、地震、噴火、津波等のによる事故は補償になりません。
補償内容や補償事由をみると、旅行保険にも似ていますが、保険との違いも多いです。
大きな違いの一つは、特別補償はあくまでもお見舞い金制度であることです。
そのため、補償内容は旅行保険と比べて低くく、また保険のように保険金額を自分で選ぶことは出来ません。
特別補償があるから保険は不要と考えてしまうのは危険です。
骨折の例では、7日以内の通院で1万円と解説しましたが、これは日額ではありません。
1つの事故につき1万円ですので、通院やギプス装着により、日常生活やお仕事に支障をきたしている期間の補償としては十分とは言えないと思います。
また、旅行保険は自宅を出発してから自宅に戻るまでが保険期間となりますが、
特別補償で補償するのは企画旅行参加中と定めており、補償期間も異なります。
詳細は次で解説します。
補償の対象となる企画旅行参加中とは?
特別補償は企画旅行参加中の事故による損害に対してお見舞い金を支払う制度ですので、企画旅行参加中とはどこからどこまでか?を知っておくことが大切です。
企画旅行についての解説は、別記事で解説をしていますが、旅行会社が宿泊施設や運送機関を仕入れし、組み合わせて値付けをして販売している商品です。
詳細はこちらの記事の中盤あたりをご覧ください。
企画旅行で代表的なものは、JRと宿泊や、飛行機と宿泊のパック商品です。
また、宿泊だけの企画旅行商品もありますので、この3つの場合について解説します。
JRパックの場合
JRパックの場合の旅行参加開始は、利用予定の列車を利用するために駅の改札の終了をしたタイミングです。
改札の終了とは、自動改札を通過した後、または有人改札で駅員に切符見せて改札内に入場した時です。
まれな例かも知れませんが、もし無人駅からの乗車の場合は、利用予定の列車に乗車した時が旅行参加開始となります。
旅行参加終了は、開始の逆ですので、
自動改札を通過、あるいは有人改札を通過して改札外に出た時、無人駅の場合は、利用予定の列車を下車したタイミングです。
もし、東京から新大阪までの新幹線利用のパック商品を申し込み、出発当日、東京駅までの移動中に事故にあったとしても、東京駅の新幹線改札を通過前=旅行参加前の事故扱いで補償対象外となります。
飛行機パックの場合
飛行機利用の旅行参加のタイミングは、乗客のみが入場できる飛行場構内における手荷物の検査などの完了時。とあります。
これは、保安検査場を通過したタイミングのことを指しています。
旅行参加終了はこの逆なのですが、受託手荷物受け取りエリアの外に出たタイミングで旅行参加終了となります。
上記の定めによれば、保安検査前に空港内の階段で転んでけがをしても特別補償の対象にはなりませんし、空港の外に出て、帰宅途中に事故にあった場合も旅行参加終了後となり補償対象外です。
宿泊のみの場合
宿泊だけの企画旅行参加のタイミングは、施設への入場時です。チェックインのタイミングではありません。
終了のタイミングは、チェックアウト後に施設を退場した時です。
この場合は、宿泊施設までの移動中は旅行参加中と見なされず、道中事故にあっても補償の対象になりません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
正直、普段の業務の中で特別補償についてお話をすることは少ないです。
が、とても大事なこともありますので、ぜひこのブログを読んでくださる方には是非とも知っておいて欲しいです!
より詳細を確認したい方は、旅行会社の営業所を見渡してみてください。
約款と特別補償規定は、旅行業者は営業所内に旅行者に見えやすいように掲示、又は備えおいて閲覧できるようにしなければならないので、旅行会社のお店に行けば内容が見られます。
また、旅行業約款と特別補償については、多くの旅行会社が観光庁と消費者庁の両庁が作成した標準旅行業約款を元にしているためどの旅行会社でもほぼ同じです。
冒頭にリンクを張ったURLからも見られます。
難しい内容だったかも知れませんが、皆様の旅行のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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