トラベルアドバイザーと旅マエ・旅ナカを考える

旅行会社スタッフが、誰でも旅行を楽しめるよう、困ったことが起きたときにどうしたらよいか、お得な旅行にするヒント、旅行体験記など書いています。

コロナウイルスと旅行の取り扱いについて

世間を賑わせるコロナウイルスについて、旅行会社の人間目線と個人的な見解をお伝えしようと思います。

 

旅行会社での対応がどうなるかについてと、私の個人的な見解の2本立てで書いております。

特に個人的見解については、社会に対してやや批判的なことも書いておりますが、私の主張や考えが正しいとか言うつもりはありません。過熱報道されているニュースや、情報を鵜呑みにせず、よく考えるための一助になればと思います。

 

※この記事は2020/02/05時点の情報です。

 

海外旅行について

海外旅行は外務省がまとめる海外安全情報に基づき旅行会社の対応が決まります。

 

海外安全情報には、テロや暴動などの危険情報について、と感染症危険情報2種類があります。

今回のコロナウイルスは外務省のまとめる感染症危険情報を基に対応が決まります。

 

 

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外務省安全ホームページより https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_009.html#ad-image-0

感染発生元となっている中国の武漢がある湖北省全域は、

レベル3:渡航は止めてください(渡航中止勧告です。

 

それ以外の中国全土(香港・マカオ含む)

レベル2:不要・不急の渡航は止めてください 

となっています。

なお、台湾は感染危険情報は出ておりません。

 

ちなみに、レベル1は注意してください。渡航はしてもかまいません。

レベル4は退避勧告渡航はもちろん止め、該当地域にいる日本国民はその地域外へ退避するようにとなります。

 

 

レベル2以上の危険情報が出た場合、原則旅行会社は企画旅行(添乗員同行のツアーや、往復の飛行機とホテルがセットになった個人ツアー等)の催行を中止します。

催行中止となった場合の旅行代金は全額返金されます。

 

また、手配旅行(ホテルのみ、航空券のみなど)に関してはやむを得ない事情がある場合は手配を受け付けることもあります。

 

この違いは、旅行会社が受け負う旅程管理義務の有無によります。

企画旅行は旅行会社の旅程管理責務があるため、旅行者が安全かつ円滑に旅行が出来るよう旅程管理をしなければならないのですが、安全に旅行が出来る見込みが無い場合は企画した旅行を中止し、旅行者の安全を守ります。

 

一方、手配旅行には旅程管理義務はありません。旅行者に代わり旅行サービスを受けるのに必要な手配をするのにとどまるので、手配後の旅行に対しての旅程管理義務はありませんし、危険を承知でどうしても行くのであれば、それを止める強制力は持っていません。

 

国内旅行について

国内での感染者が確認されていますが、国内旅行に関しては現状コロナウイルス発生に伴う国内旅行の中止措置はありません。

国内旅行は申込みも受付しますし、申込み済みの国内旅行を控えるようにとアナウンスすることもありません。

ただし、手洗いうがい、マスクの着用など、通常の風邪やインフルエンザ対策と同様に気をつけて旅行をして欲しいです。

 

ニュースを見て旅行の取消を検討される方もいらっしゃいますが、残念ながら現状規定通りの取消料がかかります。

 

 

個人的に思うこと

コロナウイルスが発生してから思うことについて思うことを少しお話しさせてください。

 

ニュースで報道されているのを聞くと確かに不安になります。

特に隣の国中国が発生元となっていることや、日本でも感染者が増えていると知るといつか自分の近くにも・・・と思ってしまいます。

その一方で、どうもいろんな情報に惑わせれている方が多い気もします。

 

先日電車の中で「大阪は感染の可能性が高いから行かない方がいい」とお話されている方がいました。

 

いったい、何が根拠なのでしょうか?

おそらく、日本で最初の日本人感染者とされるバスのドライバーさんが大阪にツアー客を連れて行ったから?だと思うのですが

感染の可能性が高いとは、どこと比較して高いのでしょうか?

 

日々ニュースで感染者が増えた、死者が増えたと報道されていますが、

今回のコロナウイルスはそれほどに強力な毒性を持っているのでしょうか?

亡くなっている方の死因はコロナウイルスによる肺炎がと思いますが、肺炎は通常の風邪でも重症化すれば誰でもなります。

私も中学生の頃に風邪をこじらせ肺炎になったことがあります

 

コロナウイルスに感染する=死

となっていませんか?

 

 

 

 

感染する=助からない

と思い込んでいませんか?

 

感染者数と死亡者数イコールではないのは、感染しても存命の方・回復している方がいるからです。

 

1/31付けの朝日新聞では、亡くなった方の多くは65歳以上の高齢者と報道されていたのをみると、もしかしたらコロナウイルスにより肺炎で亡くなっている方の多くは元々身体が弱っている高齢者かも知れません。

亡くなった方がいるとだけ聞くと、ウイルスの毒性がどれだけなのかわかりませんが、元気な方が亡くなったのか、身体が弱い方が亡くなったのかの情報があるだけで、元気な人が急激に亡くなる恐怖のウイルスといったイメージは払拭できるような気がします。

www.asahi.com

 

私からのお願い

いろいろ語りましたが、どうかむやみやたらに恐れすぎないで欲しいです。

 

一昨年、ゴールデンウィーク前に沖縄ではしかが流行したのを覚えている方はいらっしゃいますか?

あの時は、多くの方がはしかの感染を恐れて沖縄旅行の大量取消があったのを今回思い出しました。

はしかはほとんどの方が幼児期の予防接種で免疫を持っているので、過度に恐れすぎてはいけないと思っていたのですが、予想に反して多くの方の取消を受け付けした記憶があります。

予防接種=100%安心とは言えないでしょうが、今では多くの方がはしかのことも忘れ?多くの方が旅行に行かれています。

 

正直過敏過ぎる反応だったのではないかと思い返します。

 

今後、国内旅行を控える方が増えると、各地の観光地は打撃を受けますし、宿泊施設や、交通機関、レジャー施設、飲食店などあらゆるところに影響が出ます。

当然、旅行会社も大きな影響を受けます。

 

ウイルスを気にするな!とか、たいしたことない!と言うつもりはありません。

私の見解・意見が正しいと言うつもりもありませんし、ネットニュースが嘘っぱちと否定するつもりもありません。

発生から数週間で各地に広がり、感染者が増え続けるコロナウイルスが今存在していることは十分に注意すべきです。

 

しかし。コロナウイルスは極端にいえば、インフルエンザと同じウイルスです。

手や口から体内に入って悪さをします。

空気感染は認められていません。くしゃみ等の飛沫に含まれたウイルスを吸い込んでしまったりすることで体内に入ると聞いています。

 

ですから、しっかりと手洗い・うがいをして、人混みではマスクをするなど冬場のインフルエンザと同じような対策を心がけてください。

 

一人一人の予防が、今後の感染拡大を防ぎます。

そして、旅行の予定がある方は、どうか対策をした上で楽しんで欲しいです。

せっかく計画した旅行でしょうから。

 

でもどうしても気になって行っても楽しめない、小さい子どもや高齢の家族がいるから不安という方はご家族で相談し、納得の行く決断をして欲しいです。

 

SARSもMARSも新型インフルエンザもこれまで全て収束してきました。

今回のコロナウイルスもいつか収束するはずです。

ニュースやネットにあふれる噂を鵜呑みにせず、自分でよく考え、判断して欲しいです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。