2021年3月末で6年勤めた旅行会社を退職し、新しい会社へ転職することになりました。
このブログを開設して約2年、旅行会社への問い合わせ内容を元に、情報発信することで、誰もが不安なく旅行を楽しめるようになればと考えた当時は、まさか私が旅行業から身を引くことになるとは考えもしませんでした。
それほどに旅行業に対する思いは強く、転職活動を始める前~活動中~内定を貰うまでの間、常に悩み続けました。
しかし、今後の自身の生活や、仕事を通して実現したいことを総合的に考えて、一度旅行業界を離れることを決めました。
今回は、私がなぜ転職したのか?の経緯をお伝えするとともに、旅行業界に従事している方で、転職に悩まれている人の参考になればと思います。
現職の仕事について
私にとって現職の会社は、就職活動時の第一志望でした。
大学4年時にご縁があって内定を頂き、日本をもっと盛り上げたい、地方活性化に貢献したいという熱意を持って入社以来業務に取り組んできました。
法人営業、添乗員、カウンタースタッフと担当業務も時々で変わり、なかなか地域活性化に直結するような業務には携われなくても、お客様の旅行に関する悩みを解決し、楽しく旅行して貰うことにやりがいを感じていました。
特に、カウンタースタッフになってからは、旅行業の基礎を一から学ぶ良い機会にもなり、店舗スタッフ同士の風通しも良く、お互いに助け合って解決する職場はとても働きやすかったと思います。
また、女性が多い職場のため、雑談の中では結婚、出産、子育て、介護、夫の愚痴?などためになる話が多く、人としての学びも多い環境でした。
給料面では、他の業界に比べたら低いとは思いましたが、旅行代金の補助や、エージェント優待のおかげで、プライベートの旅行は非常に安価に出来ました。
正直、天職とも考えられるほど恵まれた環境で働いてきました。
私の転職理由
これほど満足していた現職を辞めようと思ったのは、新型コロナウイルスの流行です。
出勤数が減り、お客様ともスタッフとも顔を合わせない日が続き、次第に「なんのために働いているの?」か、わからなくなりました。
悶々とした日々を過ごす中、次第に
・20代のエネルギーあふれる内に、もっと多くの経験をつみたい!
・色んな人と交流したい!
・日本を盛り上げたい、地域活性化に貢献したい!
こうした想いを叶えるには
旅行業界じゃなくても良いのでは?
と考えるようになり
・いつかコロナが収束したとしても、それまで会社が存続するかわからない
・給料削減されてでも旅行業に携わりたいと強く思えなくなった
・結婚を機に、家族での将来設計をしなければならない
こうした気持ちの変化が私の中にありました。
だったら異業界でも挑戦して、年収アップと自己成長が出来る会社で働くことは、きっと自分にとってプラスのはずだ、と転職活動を開始しました。
私の転職活動の仕方
転職活動は2020年秋頃から始めました。
何から手をつけて良いのかわからないので、まずは情報収集として転職情報サイトに登録しました。
登録したのは大手人材サービスの転職サイト2社と、転職情報ポータルサイト1社です。
毎日メールで届くオススメ求人に目を通しつつ、転職についての基礎知識や自己分析などの基本ツールを使いながら、時折どんな求人が出ているのか希望条件を入力して調べたりしました。
が、なかなか興味の持てる業界が見つかりません。
そもそも第一志望の会社で働いてきたこともあり、旅行業以外の会社に興味がもてるはずもありませんでした。
自己分析を徹底的に行う
そこで、新卒入社の時と同じように、生まれてから今日まで自分がどのように生きてきたのか、自己分析を徹底的に行いました。
どのような価値判断をしてきたのか?それがどのように変化してきたのか、不変のものだったのか。
何が好きで、何が嫌いなのか。その理由はなにか?
どうしてそう考えるのか。そうなったきっかけは何か?
小学校、中学校、高校、大学、社会人の各ステージではどういう人間だったのか
その全ての経験や考えに「なぜ?」を繰り返しわかったことが以下の3つです。
・新しいことに挑戦するのが好き
・人とコミュニケーションを取るのに長けている
・ホスピタリティ思考が強い
また、この3点が自身の旅行好きにも影響していることが理解できました。(知らない土地を訪れ、現地の方と交流し、その経験を多くの人に伝えたい)
一方で、責任感が強く、粘り強く物事に取り組む一方、他人を頼らずに自力で何でもやろうとすることが課題だとわかりました。
職場環境が良く、ついつい他の人に甘えてしまうことが多く、本来は協力してやるのが会社という組織のはずなのに、「頼ってばかりではだめだ!全て自分でやらなければ!」と躍起になっていたのだと思います。
なかなか、普段の働き方を見つめ直す機会は取れないと思いますが、こうした時間が確保できたことで、将来を考えた転職理由や企業選びの軸が定められる良いきっかけになりました。
とはいえ、自分は企業にアピールできる様な高い実績を出した経験も無い(過去予算を達成したのはたった1回だけ)し、職場に良い影響を目に見えてもたらした経験も無いので、これで本当に採用されるのか不安でした。
家族、友人、さらには社外の人に相談したものの、自分の中で納得する結論を出せなかったので、転職エージェントに相談することにしました。
転職エージェントを利用してみた
転職エージェントは2社登録してみました。
どちらも大手人材サービス会社で、新卒入社の時にも使ったのを覚えています。
マイナビエージェント
リクルートエージェント
その2社の担当者との電話面談では、
・自分は転職できる程の能力があるか
・転職するとしたらどのような業界、職種が適しているか
を相談しました。
特に気になったのは、旅行業界の人間はどんな業界、職種に転職しているかですが、エージェント2社の答えは、
・人材サービス
・不動産
・広告
でした。
理由は、お客様対応の経験があり、顧客課題の解決をする業務にマッチするということでした。
もちろん、旅行業から宿泊、鉄道、航空、運送業など関係性の高い業界に進む人もいるようですが、コロナ禍ではそうした業界から離れる人が多いとも聞きました。
また、自分に転職できる程の能力があるか?については、「人柄や仕事への取り組み方を理解して貰えれば内定は出るだろう」とおっしゃっていただきました。
特に自己分析で見えてきた、コミュニケーション能力とホスピタリティの高さは、即戦力として求める企業もあるとの見立てでした。
こうしたエージェントのアドバイスを踏まえて、自分の希望条件にあう求人を紹介して貰いました。
転職情報サイトでも希望条件を入れて検索出来ますが、エージェントとの面談を踏まえた求人であっても、あまり興味がわかない求人もありました。
その場合は、なぜオススメなのかをエージェントに確認してから興味有り・無しで振り分けたり、実際に書類選考に応募しました。
実のところ、内定をもらった企業は当初紹介されたた求人の中で興味なしにしていたのですが、転職活動を続けていく中で自分とマッチする会社や業務が明確になり、求人を見返していた時に「この会社良い!」と見つけたのです。
自分の転職理由や、企業を見る軸がしっかりエージェントに伝えられたから、思いがけない発見に繋がったのかと思います。
転職エージェントを利用して良かったと思うのは、色んな求人に目を通せたことと、書類添削、面接対策、求人票にない情報収集、面接日時の調整などやっていただけたことです。
直接聞きにくい年収や残業時間、福利厚生に関してをエージェント経由で知ることが出来るので、日々の業務や、自己分析に向き合う時間などを作りやすかったのがメリットだと思います。
加えて、過去の面接者から抽出した想定される質問や、マッチングの期待できる人物像も教えて貰えました。
こうした実績のあるデータを参考にすると、面接前に準備もしやすいですし、自分には合わないというミスマッチの可能性を排除しやすくなると感じました。
現職に退職を申し出るタイミングについて
私は内定をいただいてから打ち明けると、最初から決めていました。
現職より良い条件でのオファーになるかしっかり見極めたいと考えていたからです。
あまりにも悪い環境になると思われる場合は、現職を継続する覚悟もありました。
面接の中では希望年収や、入社時期などの話もしましたが、正直に「現職の前年度年収が○○○万円なので、最低でも○○○万円欲しいです」と伝えていました。
また、入社時期も現職への退職交渉はオファーの内容を確認してからになるので早くていつからになるだろうと伝えてきました。
職場の雰囲気を考えると、打ち明けた方が協力して貰えるかも・・・と思いましたが、旅行業界がこのような状況にあることを考えると、快く送り出してくれるかこの時は確信が無かったので、転職活動をしていることは伏せていました。
実際、過去に職場を去った人のほとんどは、何の相談もなく去っていたので、同じように考えていたのではないかと思いました。
この後にお客様の引き継ぎや、内定先の事前研修に参加するなどありましたが、以上が、私の転職活動の大まかな流れです。
転職に対する不安にどう向き合ったか
正直、内定をいただいてからも現職を本当に辞めるか悩みました。
現職でまだやれることはないのか?
旅行業をやりきったといえるか?
新しい職場になじめなかったらどうする?
異業界でやっていける実力・ポテンシャルがあるのか?
しかし、日々お客様対応は全力でしたし、人と人のリアルな交流を控えるよう言われる中、私個人が出来ること、現在の旅行業界の仕組みでは限界があると思いました。
新しい会社の人事・採用担当のチームの人は私に期待していること、評価していることをまっすぐ伝えてくれて、しっかりサポートすると言ってくれました。
新しいことを始めるときは誰だって不安に思うけど、自分は未知なることを知ることに楽しさを見いだせると自己分析を通してわかりました。
それでももし、旅行業界に未練があるというなら、異業界で身につけた知識経験で旅行業をもっと盛り上げられる人材になって出戻りしよう!
そうして転職の決意は固まりました。
転職すべきか悩む方へ
長引くコロナ禍で旅行業界は苦境に立たされていることは間違いありません。
業界に身を置く方の誰しもが、一度は転職について頭をよぎったことと思います。
冒頭申し上げた通り、私は悩みに悩んだ末に旅行業界を去る決断をしました。
そして皆さんが今後どうされるかの参考になればと考えて、私の体験を公開することにしました。
旅行が好きだから、地方活性化をしたいから、職場の環境がよいから
など、色んなことを言ってきましたが、どんなキレイ事を並べたところで、私は収入に勝る安定した生活を送るための理由はそうそう無いと思います。
さらに言えば、旅行業を離職する人が多いコロナ禍で転職先が見つかるのか?
年齢や経歴・スキルを考えると選べる状況じゃないのでは?
不安を感じながら、いざ転職してみたら・・・
・ブラック企業だった。
・業務時間増えても年収はほとんど変わらない。
・応募したらことごとく見送られてしまった。
・自分のスキル、経験は旅行業界でしか通用しないかのように評価され、現職を続ける気力を失った。
こうしたリスクがゼロではありません。
だったら、現状維持というのもあると思います。
しかし、現状維持は受け身的な生き方だと思うのです。
転職を周りで経験した友人の話を聞くと、転職は能動的なキャリア形成・自己実現の手段だと思いました。
ある友人は、地方活性化に携わりたいとの想いを持ち続け、広告代理店から2回転職し、地域興し協力隊で農業振興をしています。
別の友人は、面白いことをやりたい!突き詰めた結果、IT企業から転職とスカウトによる引き抜きを経て、外資系のスタートアップ企業で活躍しています。
それまで、キャリア形成は1社の中で行うという認識でしたが、転職をすることで実現出来るキャリア形成もあるというのは大きな発見でした。
キャリア形成や自己実現は、いつからでも始められると思います。
具体的に意識したことがないなら今からでも考えるべきです。
最後に
もし転職に悩んでいるなら、まずは行動することをオススメします。
転職活動を通して、日々の業務への取り組み方を見つめ直すことで、現職に良い影響が出ることもあります。
実際わたしはそう感じました。
(語弊があるかもしれませんが、自己PRに使えるエピソードを作り出すために、仕事への取り組み方が少し変わったのです。)
転職活動をしたからといって、必ず転職する必要はありません。
私は現職を続けるか悩みながら転職していたので、終始、最後の最後のオファー内容を聞くまで判断しないと決めていました。
現職を続けながらの転職活動はスケジュール調整など大変ですが、今はオンライン面接がほとんどですし、エージェントを使えばタイムマネジメントもしやすいと思います。
旅行業界で働く人に限らず、転職を考える人、キャリア形成に悩む人にとって何か参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
一人で転職活動が不安な方は転職エージェントの利用がお勧めです
マイナビエージェントは私が主に利用したエージェントです。
リクルートエージェントは私の友人が転職した際に使ったエージェントです。
旅行業界と向き合ってきたからこそこんな記事も書いてます!