高知旅行では室戸岬を訪れました。
行く前は「風光明媚な景勝地でしょ!」くらいに思っていたのですが、考えが変わりました。
確かに見応えある風景があるのですが、それは副産物であり、室戸岬は地球のダイナミズムを感じられ、なぜ高知が出来たのか?さらにはこの土地での生活様式の背景までも理解できる場所だったのです。
熱く語ってしまいましたが、どんな場所だったかお伝えするのが今回の記事です。
室戸岬へ行こうか悩んでいる方にはオススメです!
室戸岬はどこにある?
高知県南東、太平洋に突き出た岬です。
四国最南端の足摺岬と混同しやすく、旅行系の四択問題でよく見かけます。
鉄道は延びていないので基本的にはレンタカーかバスで向かうことになるでしょう。
高知市内から途中休憩などもしながら約2時間の道のりです。
所要時間は長めですが、海沿いの景色が楽しめるのでドライブルートとしてもオススメです!
ジオパークとは?
馴染み無い言葉かも知れませんが、日本ジオパークネットワークの公式サイトではこうあります。
地質・地形から地球の過去を知り、未来を考えて、活動する場所
私のイメージで言うと、NHKのブラタモリのような発見ができる場所です。
坂とか石を見てタモリさんが「ここは昔川だったけど今はこうなっているのか~」と話が進むあのテレビ番組です。
私も好きなのでジオパークの魅力にすぐ気づけたのかも知れません。
2022年1月時点で、日本にはジオパークが46地域あり、そのうちの1つが室戸のジオパークです。
室戸のジオパークって何がすごいの?
室戸岬を含む、室戸市全体がジオパークとなっていて、公式サイトにはこうあります。
海と陸が出会い 新しい大地が誕生する最前線
これはガイドさんから聞いた言葉でもありましたが、室戸の成り立ちはこの言葉に集約されています。
ジオパークにある展示が非常にわかりやすいのですが、それをまんま流用するとジオパークに行く意味を奪ってしまうので、それに近い地図を用意しました。
以下の地図はWEBで見られる地理院地図の標高を色分けしたものです。
地図の範囲は室戸市全体です。
南端が室戸岬なのですが、この突き出た半島の右側と左側では地形が異なることがわかりますね。
まず注目したいのは西側の赤く囲ったエリアです。
ここは、海岸線から一段高い場所に平たい台地があります。
一方、東側海岸線はギリギリまで険しい山が続いていますが、そのまま青く囲った沖の海を見ると、深い海があることがわかります。
下記は半島の断面図ですが一目瞭然ですね
この奇妙な土地が出来た理由は室戸岬沖のプレートにあります。
太平洋の沖には一段と深い海溝がありますが、この深みの部分で海のプレートが大陸プレートの下に沈み込む形でぶつかり合っています。
下の写真を見ると高知の沖に出れば出るほど、階段状に海が深くなっています。
海洋プレートによって運ばれてきた岩石などの堆積物が大陸側にじわじわと蓄積していることが読み取れます。
そしてこの堆積物は周期的に起きる地震で大陸のプレートが地上に跳ね上がる時に地上に現れます。
・・・もうおわかりでしょうか?
室戸の土地は、海底にあった土地が長い年月をかけて陸に上がってくる、まさに海と陸地が出会い、新しい大地誕生する最前線に位置しているのです!
何言ってるかわからないという方は高知のジオパークセンターへ行ってください。
私はジオパークに行ってみようという皆さんが考えてくれたら十分と思っています。
海と大地が出会う最前線はこんな場所
前段のお話を理解いただいた後に室戸岬周辺を歩くととてもこの土地の面白さがわかります。
室戸岬にある中岡慎太郎像の後ろから階段を登り、展望台から海をみると、黒くごつごつした岩場が海から陸地に続いていることがわかります。
(この展望台わかりにくいので行かれる方ご注意あれ・・・)
奇岩エリアには歩いていけます。
長い年月をかけて堆積した土砂などはとんでもない力で圧縮されて岩になります。
堆積物の種類が異なり、独特の縞模様になります
こんな突き出た岩も海底から長い年月かけてこんにちはしたのです
遊歩道側まで来ると、植物が育っています
おわりに
今回訪問した際の館内ガイドさんがとても良い方で、1時間くらいかけて展示の案内や裏話などいただきました。
ジオパークでは事前予約でガイドさんと歩くツアーも開催しています。
きっと新たな発見が出来る素晴らしいツアーであろうと思います。
ジオパークの入場料金はかかりませんので、高知旅行に行かれる方は是非旅程に入れてみてくださいね!