先日訪れた宮崎旅行で訪れた観光地について紹介します。
今回の主テーマは、「日本神話の舞台を巡る」と、副テーマは「ブラタモリのように土地に注目」です。
みなさまに新たな発見があればと想いながら、書いてみましたので最後までお楽しみください。
宮崎ってどんなとこ?
そもそも宮崎ってどんなところかと考えますと、私がまだ1桁の頃には東国原知事の頃に「どげんとせんといかん!」とマンゴーなどとテレビに映っていたので、宮崎=東国原知事とマンゴー、となっていました。
実際、マンゴーを初めとする南国フルーツは有名で、南国リゾートを感じられる観光地としてもすっかり周知されたように感じます。
がその前に宮崎に注目が集まったことがあり、清宮貴子さまの新婚旅行先に宮崎や鹿児島を回られたことがきっかけとされています。
1960年以降、昭和天皇の第5皇女である貴子さんと島津久永さんが新婚旅行で宮崎を訪れたことをきっかけに宮崎は空前のハネムーンブームに!気軽に海外旅行へ行けない時代に、宮崎の温暖な気候と南国の雰囲気が後押しとなり、脚光を浴びました。現在でも日本を代表するリゾート地として人気を誇っています。
日本の元祖南国リゾート!はじめての宮崎はこれを楽しもう! | 特集 | 【公式】宮崎市観光サイト より引用
しかし、日本の歴史を紐解くとそうした魅力とは別の面が見えてきます。
宮崎には初代天皇の神武天皇を奉る宮崎神宮を始め、三種の神器を持って高天原から降りてきた邇邇芸命が最初に立ったとされる高千穂があるなど、古事記や日本書紀といった日本神話の舞台としても描かれており、日本人の精神的なルーツに触れられるような神秘的な魅力があるようにも思います。
そんな宮崎の中で私が今回訪問した観光地を紹介します。
鬼の洗濯板
青島周辺に見られる独特の景観が楽しめる景勝地です。
およそ700万年前に海中で出来た水成岩(固い砂岩と軟らかい泥岩が繰り返し積み重なった地層)が隆起し、地上に現れた地層は波の力で削られ、固い砂岩層だけが残ったのだそう。そうして削られた部分と、残った部分がぎざぎざとした洗濯板のような地形になりました。
荒々しくも神秘的なこの風景は鬼の洗濯板と呼ばれるのも納得です。
鬼の洗濯板を見たい方は、青島神社もセットで訪れると良いでしょう。
青島神社
青島にたつ神社で、彦火火出見命・豊玉姫命・塩筒大神の三神を奉っています。
縁結・安産・航海・交通安全に御利益があるとして、女性人気も高いです。
青島神社に行く際、17時までの滞在ならJR青島駅の東口駐車場に車を止めるのがオススメです。
駐車場から青島まで10分ほど歩くのですが、周辺のコインパーキング利用しても青島まではどのみち歩きますので、でしたら無料駐車場利用が良いかと思います。
神社と日本神話に関する小咄
奉られている彦火火出見命(ひこほほでのみこと、日子穂穂手命とも表記)はまたの名を火遠理命(ほおりのみこと)と言います。さらに又の名を山佐知毘古(やまさちびこ)と言います。山佐知毘古は、パズドラなどのスマホゲームのキャラクターにも使われるので名前を聞いたことがある方もいるでしょう。
日本神話を語り始めるときりが無いので、端折って話をすると・・・
山佐知毘古は兄の海佐知毘子から借りた釣り針を巡ってけんかし、悲しんで海辺で悲しんでいると、どうしたものかと塩筒大神(別表記?の塩椎神、しおつちのかみかと思います)が訪ねてきます。塩筒大神は山佐知毘古に船を与え、海の神(大綿津見、おおわたつみ)の娘の豊玉姫命(とよたまびめ、豊玉毘売とも表記)に相談すると良い策を教えて貰えるだろうと助言をしました。塩筒大神は潮流の神で、山佐知毘古の乗った船を沖に流すと、大綿津見の住まう宮殿まで送り届けました。宮殿に着いた山佐知毘古は、豊玉姫命の一目惚れをきっかけに結婚し、宮殿で3年もの時を過ごしました。
著:島崎晋『らくらく読める古事記・日本書紀』第1版第2刷P73~78より
このエピソードで言う、主人公?の山佐知毘古、主人公に船を与えた塩筒大神、海の神の娘の豊玉毘売の3神が奉られていることになります。
また、神社の御利益に注目しますと、航海の安全は、塩筒大神が山佐知毘古の乗った船を無事に大綿津見の宮殿まで届けたことや、縁結びは山佐知毘古と豊玉毘売が巡り会ったことからとも考えられます。
神社の御利益をどこに求めるかは、ナンセンスなことかもしれませんが、神話に求めるなら、こうした見方も出来ると思います。
こうした知識があると、神社やそこに奉られる神様、日本神話に少し興味が出てきませんか?
堀切峠
南国ムード漂うフェニックス並木、青い海と青い空の絶景。宮崎市の象徴・代表ともいえる風景が、この堀切峠です。青島でも見られた鬼の洗濯板はここでも見られます。
近くには「道の駅フェニックス」があり、絶景を見ながらソフトクリームや地元グルメを味わうことができるため、宮崎でも屈指のドライブコースとなっています。
青島からは車で10分ほどです。駐車スペースも数台分あるので、写真を撮る際は駐車場に停めましょう。
サンメッセ日南
日本で唯一、イースター島にあるモアイ像のレプリカの製造を公式に許可された観光施設です。
モアイ像は斜面の一番下に郡立していますが、ブランコやら地上絵やら、昆虫標本を集めた館、レストラン、お土産品店などいろいろあります。
写真スポットが多いので、若い人にも是非訪れて欲しいです。
入場料金は大人一人800円です。
鵜戸神宮
サンメッセ日南からほど近く、岩窟の中に本殿がある神社です。
ご神体は、日子波限建鵜葺草葺不合命(ひこなぎさたけうがやふきあえずのみこと)で、青島神社に奉られる、山佐知毘古と豊玉姫命の間に産まれた神様です。
鵜戸神宮は、豊玉姫命が出産の時に籠もった小屋が鵜戸の地にあったとの伝承から、安産や子育てに御利益があると知られています。
本殿の後方には豊玉姫命が乳房をつけたとされるお乳岩があり、また日子波限建鵜葺草葺不合命が浴びた産湯として遣ったとされる井戸水があります。
本殿より有名かも知れないのは、願い玉を投げ入れる場所かも知れません。
水のたまった場所に入らずとも、しめ縄の内側に玉が当たれば良いのだそう。
訪れた際には挑戦してください。
鵜戸神宮周辺の独特の景観は、鬼の洗濯板とはまた違った地質にあります。
沢山の砂岩の層の中にごろっとした石が入っているのですが、この砂岩の層をコンクリージョンと言います。
この地層が海底に沈んでいた800万年前、クラゲやなまこといった生物が砂と一緒に積もり、微生物に分解される時に発生した炭酸イオンが海水中のカルシウムイオンと反応して砂岩を固めたのだそうです。
解説は立て看板より引用しました
鵜戸神宮の駐車場へいたる道は、車が行き違いが出来ない程狭い道路を通る必要があるので、運転に自信の無い方は注意が必要です。
宮崎神宮
今回は時間の関係で訪れる事が出来ませんでしたが、日本神話に関する場所としては市内にあるので行きやすい場所だと思います。
神武天皇の父は、鵜戸神宮に奉られている日子波限建鵜葺草葺不合命です。
ですから、今回私は青島神社、鵜戸神宮、宮崎神宮と親子三世代にわたってそれぞれが奉られている神社を訪れる予定だったのですが、達成できず残念です。
次に訪れる機会があれば、宮崎神宮のリベンジするか、あるいは高千穂へ行ってみたいなと思います。
まとめ
日本神話は興味がないと今回のようなテーマで回ることは無いかもしれませんが、今回の観光地は海沿いの1本道を走るルート上にあるので効率良く観光出来るオススメルートです。レンタカーでも宮崎空港から市内まで往復90キロほど、所要時間約6時間だったので、コンパクトな観光で済むのもオススメポイントです。
ぜひ興味を持った方は手始めに宮崎から日本神話に触れてみてください!
いずれ、伊勢神宮や出雲大社も訪れて日本神話との関係をお伝えしたいと思いますのでご期待ください。
今回の記事がみなさまの観光の参考になれば幸いです。
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