こんにちは、たびおどり(@tabiodori)です。
カウンターで旅行販売のお仕事をしている私から皆様に一つ質問です。
皆さんが申し込みをしたツアーは
どの会社のツアー(商品)かご存じですか?
例えば
JTBで申し込みをしたツアーは 日本旅行の赤い風船 だったり
HISで申し込みんだツアーは 近畿日本ツーリストのメイト だったり
申し込みをした旅行会社と、その商品が異なることがあります。
これは
旅行の販売会社と、企画実施会社が必ずしも同じではないからです。
この違いを知らないでいると、
「○○の特典がつくはずだったのにつかないの?」と、誤解を招いてしまうことに繋がりますので、ぜひ知っていただきたいです。
それでは、よろしくお願いします。
こんな人に読んでほしい
旅行会社をよく使う方
自分が何を購入したのかよくわからなかった方
色んな旅行会社を比較している方
受託販売会社と企画実施会社?
冒頭でお伝えしたとおり、旅行を申し込みした会社と、そのツアーの企画実施会社は異なることがあり、その理由は、販売会社と企画実施会社が異なるからです。
なぜ異なるかの解説を始めるに当たり、まずは用語の解説です。
販売会社は、旅行の予約を受け付けする旅行会社(=販売店)のことです。
旅行業界では、受託販売会社とも呼ばれます。
具体的には、街中にあるJTBや日本旅行といった旅行会社の店舗や、ヤフートラベル、じゃらんといったインターネット予約サイトのことです。
一方の企画実施会社は、商品を作って旅行の実施をしている会社のことです。
旅行業界では、(ツアー)催行会社などと呼ぶときもあります。
企画実施会社もよく知られているのは、JTBや日本旅行といった大手旅行会社です。
販売店と企画実施会社が同じことも、異なることもあり、話がややこしくなりますので例を使ってお話しします。
このブログをお読みいただいている読者の方が、イタリア旅行に行きたいと思い、JTB、日本旅行2店舗で相談をしたとします。
上記2社は旅行会社の店舗ですので、販売会社です。
そこで予約したツアーは以下の通りでした。
JTBでは、海外ツアー商品のLOOKを予約しました。
日本旅行では、海外ツアー商品のBESTが予約困難とのことで、代案としてJTBのLOOKをオススメされ予約をしました。
この2つの違いは何でしょうか?
販売店と、企画実施会社はどこか?の面で考えます。
JTBで申し込みの場合、JTBは販売会社としてJTBが企画実施するLOOKを受託販売した、となり、販売店と企画実施会社が同じです。
一般的には、このケースがほとんどだと思います。
一方、日本旅行でJTBのツアーを予約した場合はどうでしょう。
このケースでは、日本旅行は販売会社として、JTBが企画実施するLOOKを受託販売した、となり、販売店と企画実施会社が異なる例にあたります。
この場合は、日本旅行で申し込みをしたけど、ツアーはJTBの商品ですので、ツアーの内容・特典も全てLOOKの内容です。
日本旅行のお店でBESTのパンフレットを見ていたけど、
実際に予約をしたツアーがLOOKだともし気づかなかった場合は、内容が全くと言っていいほど変わることがあるので注意が必要です。
(この例は極端なので、BESTではなくLOOKで予約をしたと販売店が説明をするので出発まで気づけないということは無いと思いますが・・・)
このように、旅行会社は他の旅行会社が企画実施する商品を、受託販売出来るように契約をしていることがあり、このために申込会社と実際参加する商品の企画実施会社の違いが発生する理由です。
では、なぜ旅行会社は受託販売の契約を結ぶのでしょうか?
なぜ受託販売契約をするのか
一言で解説をするのは難しいのですが、私は大きく2つの理由があると思います。
1つは販売機会の損失を防ぐこと。2つめは、商品造成に特化するため。です。
販売機会の損失を防ぐ
販売機会の損失を防ぐのは、先ほどの日本旅行でLOOKを予約した場合が良い例です。
旅行会社側からすれば、多くのお客様に旅行の予約をしていただければ、それだけ売り上げが多くなるので、未成約や他社で申込みになるのは避けたいです。
先ほどの日本旅行の商品が予約困難で、LOOKを代案で提案し予約したのはまさに
未成約で他社で申込みになるのを避けるためと言えます。
でも、他社商品を売った販売店・販売した会社にメリットはあるのでしょうか?
受託販売契約をする際には、【販売金額の何%を販売手数料として支払う】と定めるため、販売店には企画実施会社から手数料収入が入ります。
未成約で他社に行かれたら収益は0ですが、他社商品でも予約が出来れば収益が見込めるので他社商品も気にせず販売が出来ます。
もちろん、自社商品を自社で販売するのが一番利益になります。
しかし、せっかく来てくれたお客様に対して、自社商品の在庫が無くて予約が取れない場合、何の案内も出来ないのはとても申し訳なく思いますし、お店には1円も収入が産まれません。
そんな時には、受託販売できる他社商品の空きが無いかを調べ、お客様へ代案の案内が出来ます。
また、色んなツアーから希望の内容にあったツアーが無いかを比較することも出来るのでツアーとお客様の求める物のマッチングを確かめることが出来ます。
こういった対応が出来るのでこの制度は販売店のスタッフとしてもありがたいですし、お客様にとっても旅行会社を転々としなくて済み、予約が取れれば安心ですよね。
さらに、商品を作る旅行会社もツアーの空席が埋まりますし、販売店も収入が入るので
WINーWINーWINーWIN です。
(少し言い過ぎでしょうか・・・苦笑)
商品造成に特化する
旅行会社には色んな種類があり、受託販売だけで販売に特化した会社もあれば、旅行の企画実施に特化した会社もあります。
ここでお話しするのは、企画実施=商品造成に特化した会社についてです。
造成に特化した会社にとっては、商品を作るだけでは利益は生まれず、当然販売されなければなりません。
そのため、企画実施特化の会社は受託販売契約を多くの旅行会社と結び、販売して貰うことで収益を上げています。
この関係でよく知られているのは、
飛行機とホテルのパック商品です。
JALパック、ANAスカイホリデーの実店舗は東京に1店舗ずつしかないのをご存じでしょうか?
この2社の商品は、JTBや日本旅行、近畿日本ツーリスト、HISといった全国展開している大手の会社や、地方でのみ営業している旅行会社や、インターネットで販売してもらっていることでよく知られています。
なぜ店舗を設けないのか断言は出来ませんが、店舗を設けて販売するよりも受託販売した方が利益が多いからだと思います。
たとえば、大手旅行会社のパック商品は、往路と復路の利用便が異なってもパックに出来ることが多いです。JALとANAの2社が入る空港であれば、片方の航空会社だけでは時間の都合が合わないなどの理由から、2社をそれぞれ組み合わせできる方が好まれることがあります。
そういったお客様が日本各地にいて、
自社便だけしか使えないパック商品でどれだけお客様に答えられるか
を考えると、なかなか厳しい現状もあるかと思います。
じゃあ、JALもANAも受託販売の契約で他の商品売れば?とも思うのですが、受託販売側も契約にあたって、予約システムを導入・維持のリース費用や、その他経費がかかります。
受託販売契約をしても、来店されるお客様が少なく、売り上げが見込め無ければ、リース利用だけがかさみ、収益を残せません。
そういった理由から店舗を設けていないかと思います。
企画実施が同じならどこで申し込んでも同じ
最後にもう一つ解説です。
企画実施が同じ(=商品が同じ)であれば、どこで申し込んでも旅行条件は同じです。
例えば、日本旅行でJALパックのディズニーリゾートへの旅を予約しても、近畿日本ツーリストで同じ商品を予約をしても、同じパンフレットで、同一条件のホテル飛行機と出発日ならば、旅行代金や手荷物配送特典は同じです。
そのため、JALパックの予約をお願いしたが予約が取れないといわれたならば、どの旅行会社でも同じ予約は取れない、ということになります。
JALで行く東京ディズニーリゾートへの旅はわくわくポイント満載☆
まとめ
いかがでしたでしょうか。
旅行会社をあまり利用されない方や、初めて利用される方には少しイメージしにくいお話だったかも知れませんが、申込みの旅行会社とその商品が必ずしも同じでは無いことがある、と知っていただければよいかと思います。
旅行申込みをするお客様側からみても、企画実施と販売会社が異なることで不利益になることはまず無いので、ぜひ有効活用してください!
最後までお読みいただきありがとうございました!!
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